神恩和食が生まれるまでのストーリー
老舗和食店を受け継いだ二代目の木林愛之は、生涯「褌」を貫いた正に現代の侍であった一代目である父、日々の信仰を怠らず四国四十八ヶ所も巡った母、伝統文化を受け継ぎ上海万博の日本館で琴の演奏を行った家元の親族などに囲まれ育ちました。
50年近く勤め上げ、急成長や時代の激変を乗り越え80歳を迎えた二代目が、現役の最後に想いを馳せたのは、「日本の伝統で培われた、神々や自然との向き合い方から生まれる日本の精神性を、和食を通して世界中に伝えたい」という、和食の新たなスタイルでした。
温故知新と理を料る
日本に脈々と受け継がれた自然への畏敬の念から築き上げられ、無形文化遺産にも認定された日本の料理「和食」。神々への感謝と食材への慈しみを包丁に込めて、日本料理の裾野を広げる新たな視点から生まれた料理のスタイルは、食材との対話を続けながら独自の視点を生み出した料理人との出会いで、具現化の扉が開きました。
この新たなスタイルに対し、神職にご指導を賜り命名されたのが、「神恩和食」です。
店内1階と2階にある、木に彫刻された神職による書
人類が資源を消費してきたことで、自然は多様性を失い、他の種は勿論、人類自身の生活が厳しくなるまで追い込んでしまった地球環境。自身が生み出した問題と対峙せざるを得なくなった人類に対し、運命に導かれたように、自然の循環多様性への回帰である「いのち」をテーマに開催される2025年万博では、半年間もの間に人々が世界中から日本に訪れます。
土から生を受け、命を頂き生命活動をし、また自身も土に還る。自然の循環を、いのちを頂くという行為から体感して頂く和食の新たなスタイルを、次世代を担う三代目木林義典が世界に向けて発信します。
世界的な社会課題である環境問題や人口増加の問題など、SDG’sを達成し共生可能な地球環境を取り戻さなければならない2030年には、ここ大阪にIRも開業されます。
更に世界の人々が集う国際都市大阪で、持続化可能な共生社会のモデルを作り上げるためにも、謹んで新たな時代の扉を開き、100年後の未来を受け継ぐ人々に伝統と調和を受け継いでまいります。
創業百十四年(令和6年現在)
三代目 木林義典